趣意書

昭和初期に始まった漢方復興運動は、小数の医師と薬剤師によって進められましたが、今日では大勢の医師と薬剤師が漢方治療にたずさわるようになりました。世界的に見ても民間薬や伝統医学が評価される傾向にあり、西洋医学(近代医学)が壁にぶつかっている以上、その勢いは衰えることはないでしよう。
しかし、伝統医学は今まで正規の教育体系の中に入っていなかったため、その教育が問題になっています。現在では医学や薬学のどの分野でも卒後教育が必要とされているように、それと同じ生涯学習の形式で、その問題を乗り越えて行かなければなりません。
現在、各地で色々な形の勉強会が存在しています。が多くは同好の士が半ば個人的に学習を重ねる他はなく、自然、学風は閉鎖的になりがちでした、各地で進められている漢方研究会は、それぞれの会の独自性を保ちつつ交流し、お互いに学び合うことが必要とされております。また、学習方法としては、個々の知識を学ぶよりも体系的に学習する必要があります。
漢方の体系的学習により臨床応用を分かりやすくするという、目的のはっきりした薬剤師の希望から、西日本では既に漢方交流会が出来、約20の研究会が組織され活発な活動を展開しております。
今後、全国的な漢方交流会に発展させる必要から東京にも漢方研究会を作り、毎月、定期的な講座を開催して、入門から臨床応用まで段階を踏んで学習するだけでなく、同じ志を持つ諸団体が学術交流を行いながら、発展させて行く必要があります。
これは、日本漢方交流会理事長の鉄村豪氏のかねてからの主張でもあります。そこで日中医薬研究会と日本伝統医学協会が基盤となり準備会を発足させ、東京漢方教育研究センターを創設することになりました。
とりあえず必要な学習科目として
1.傷寒論
2.漢方薬物学
3.漢方処方学
4.本草綱目
5.臨床実例検討
等を考えています。
これから始める方も既に臨床を行っている方も、漢方を体系的に勉強したい方は是非ご参加下さい。
また、それぞれの立場から、ご援助をお願い致します。
私共は準備委員会を発足させ、具体的な方針をつくり、第1回の講座を1994年4月から始めたいと考えています。

渡辺 武(日中医薬研究会)
長沢 元夫(日本伝統医学協会)
河合 斉(日中医薬研究会)
川瀬 清(日本伝統医学協会)
大石 暢子(日本伝統医学協会)