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東京漢方教育研究センター主催、一般公開特別講座

日時 令和2年2月16日(日)10:30~16:30

プログラム
10:30~11:30 漢方の歴史(江戸) 鈴木 達彦
(帝京平成大学薬学部 准教授)
11:40~12:40 処方解説 延年半夏湯 三室 洋
(小太郎漢方製薬株式会社 学術情報課)
12:40~13:40 昼休み

13:40~14:50 康治本傷寒論解説61 中川 智代
(正見堂薬局・鍼灸正見堂)

15:00~16:30 特別講座「気滞とは中腔臓器の蠕動異常である」
山方 勇次 (山方内科医院)

会場 専門学校 東京テクニカルカレッジ テラハウス 
東京都中野区東中野4-2-3

JR中央・総武線 「東中野駅」 東口下車 駅前
都営地下鉄大江戸線 「東中野駅」 A1出口下車 徒歩1分
東京メトロ東西線 「落合駅」 2b出口下車 徒歩8分
西武新宿線 「中井駅」 下車 徒歩13分

参加費 一般 4000円  日本生薬学会会員 3000円  学生 2000円
当日会場へ直接お越し下さい。事前申し込みは不要です。

* 東京漢方教育研究センター会員の方は無料です。
* 4講座受講で日本薬剤師研修センター 必須研修3単位を取得出来ます。
(シールの取得には、講座日での薬剤師免許番号の提示が必須です。)

問合わせ先
東京漢方教育研究センター 事務局
  〒154-0002 東京都世田谷区下馬1-27-14 二宮理摩
TEL:090-4392-7129・tokyokanpou@yahoo.co.jp

特別講座:「気滞とは中腔臓器の蠕動異常である」要旨
~明日から役立つ理気剤の先進医学的な使い方について~
現在の漢方は医学というには余りにも前近代的で、残念ながら現代医療に十分役立っているとは言い難いのが現状です。因みに機能性ディスペプシア(FD)に例を取ってみます。FDとは「器質的病変を伴わない上腹部不定愁訴」という西洋医学的病名・病態診断です。この疾患概念は上部消化管を主として胃という臓腑をRomeⅣ国際基準で指しています。FDは漢方的病態把握を取り入れると「脾胃の気虚」と「脾胃の気滞」に分けられます。気虚は補気薬の効く病態であり、気滞は理気薬の効く病態と言えます。気虚と気滞を西洋医学的病態で読み直すとその関係はどうなるのでしょう? 因みに、気虚とは消化、呼吸、泌尿などの全身性の機能低下を意味し、FDの場合には胃の消化機能減退、胃の筋肉の弛緩性と蠕動運動の減退による胃十二指腸への胃内容の排出時間遅延があります。一方、気滞とは中腔臓器のジスキネジー(蠕動異常)と精神失調の両面を意味しており、FDの場合には胃の筋肉の過緊張・逆蠕動・幽門括約筋の過緊張による胃十二指腸への胃内容の排出障害があります。即ち、西洋医学的病態で読み直すと、FDには筋緊張が低下した気虚によるものと筋緊張が亢進した気滞の二つに分けられることになります。今回の講演ではFDを始めとした機能性消化管疾患の眼にみえる画像診断に基づく理気剤の新しい使い方、また気虚の弛緩性タイプと気滞の過緊張性タイプの消化管障害の鑑別、割合などを中心にお話します。

<山方 勇次先生のプロフィール>
【学歴・職歴】
1974年 長崎大学医学部卒業、1974年 九州大学産婦人科研修
1977年 新古賀病院(福岡県久留米市)内科就職
1986年 丸山病院(福岡県小郡市)内科就職
1990年 山方内科医院開業、現在に至る。
【学位】
1987年 福岡大学医博乙第78号 「尿細管性急性腎不全の形態的変化」
【漢方歴・役職等】
2008年~2015年 故福冨稔明先生(福岡県小郡市)に師事し山本巖医学を研鑽。
「第三医学研究会in福岡」会長、「第三医学研究会」理事
「福岡県東洋医会」理事 
【資格】日本東洋医学会認定医
【所属学会等】日本内科学会・日本消化器内視鏡学会・日本糖尿病学会
【著書】漢方123処方臨床解説―師・山本巖の訓え―,福冨稔明著/山方勇次編,メディカルユーコン,2016